夭桃娘々

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ロータス・ポンド

 見える限りの蓮の海。
 悟空はこぽりと顔を動かした。池と名のついたこの水がどこまで続くのかと泳ぎ始めてから、もうだいぶ経つ気がする。
 一面、薄くれないの蓮の花。そのむせ返るような香。
 水面に浮かび、目を閉じた。中天の陽は暖かく、背中はひいやり冷たい。

 そろそろお昼かな。みんな探しているだろうか。いや、きっと誰も来ない。

 案外、この池がこの世の果てかもしれなかった。だとしたらきっと、自分こそこの場にふさわしい人物に違いない。
 いっそいつまでも、このままでいいや。そう思う意識はまどろみに溶けていく。